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受験生の声

VOICE

劉 晨

りゅう しん

CATTI国際試験(中日)
翻訳A級、通訳A級

インタビューの日時: 7.17 (日) 10:00

受験のきっかけ

日本に来る前からCATTI(中国国内)は知っていましたが、個人的な都合で受験できず、その後留学のために日本に来て、自分の日本語能力も少しずつ伸びてきたと感じ、いつか受けようかなと思っていました。今年、偶然友人から「日本でも受けられるようになったよ」と聞いて、それからCATTI日本事務局が主催した試験の説明会にも参加し、それがきっかけとなって受験を決意しました。

受験環境の感想

最初は、試験がオンラインだとは知らなかったです。コロナ感染の状況を考えると試験会場に行くのは「それはちょっと…」という心配もありましたが、試験はオンラインだと聞いて、便利だと思いました。
 
また、試験時にはパソコンのカメラ以外に不正防止用のスマホを一台用意しなければならないので、試験としてはとてもフェアだと思われます。それに、本番の試験の前に、アプリのテストができる期間があり、受験用のアプリの使い方と、本試験の流れを把握できました。

受験の対策

今の時点では公式のテキストはないので、中国国内の試験―CATTI3級の教材を参考にしました。他にはCATTI日本事務局のWeChat公式アカウントが出した試験の要綱、試験問題のサンプルや試験対策のオンデマンド授業も参考にしていました。

リスニングは比較的易しいと感じています。リスニング対策については、CATTIのWeChat公式アカウントでも受講できる、試験対策のオンデマンド授業をおすすめします。私自身もすべての授業を受け、大変自信がつきました。
 
個人的に、リスニングにおいて最も難しいのは、聞きながらメモを取ることです。長文の会話の場合、まったくメモ取らないと、細かいところは聞き逃してしまうことも十分にあります。だから私は、リスニングでは、「聞く」と「メモる」両方のバランスをとることが一番重要だと考えています。

通訳

通訳の試験問題はハードルが高いです。時間内で中国語を日本語に、日本語を中国語に通訳しないといけないので、受験者の実力が試されます。
 
外国語を学ぶとき、学習者にとってコアになるのが会話能力ではないかと思っています。会話の勉強はテキストだけ頼ってはいけません。テキストを唯一の勉強のツールだと思ってはいません。それよりも日々の積み重ねが一番重要だと思います。たとえば電車の中にいるとき、アナウンスやCMなどが耳に入ったら、それを頭の中で自然な中国語に訳すのも一つの練習になります。
 
ほとんどの受験生の母国語は中国語になるので、日本語を中国語に訳すよりも、中国語を日本語に訳す方が手間がかかるでしょう。日本語と中国語は、ことばの表現形式が異なって、例えば日本語では、述語は普通文の最後になるので、中国語の発話を聞いて、その動詞をすぐ日本語の最後に置くという習慣を身につけるのが大事です。
 
私自身は、元々日本語専攻ではなくて、独学で勉強していたので、日本に来るまでは、日本語を話す機会は全くなかったんです。日本語を勉強し始めたとき、毎晩今日の出来事を頭の中で、簡単に中国語でまとめた後、一度日本語に訳してみるという練習法をしていました。最初の頃は文法が正しいかどうかということにこだわらず、言いたいことが言えるかを重視していました。
 
少し話せるようになったら、一人でロールプレイをやります。一人で二つのキャラを演じることを通して、自分の会話能力を上げていきます。アニメとかドラマは会話のシーンが多くて、一問一答の会話も結構あるので、よくそれを練習の素材にしていました。最初は、シャドーウィングでキャラの会話を真似します。言語学習の初期段階では、真似は必須だと思います。真似をすればするほど、目標言語への理解が深まります。慣れてきたら、別の練習方法に切り替えます。同じ会話のシーンでも、あるキャラが喋り出したら、一旦動画をストップして、自分ならどんなふうに返事するかを考えてから、その続きを見ます。いろんな質問のし方と、それに対する答え方を吸収できたら、それは自分のモノになり学習効果は格段に深まります。
 
この練習の過程において、重要なのは言いたいことと言えないこととのギャップに気づくことです。普段の生活の中、もし他人の話を聞いて、「あ!これ私が言えなかった表現だ」と気づいたら、その表現を覚えるように心掛けましょう。このような積み重ねをしていけば、きっと会話能力の成長につながります。

単文翻訳

翻訳の試験問題は、日本語能力試験(JLPT)と少し似ていますが、重要視されているところは違うと感じています。JLPTでは、四つの選択肢から一つの正解を選ぶことに対して、CATTIでは、文法や表現の仕方をちゃんと身につけているかどうか、つまり実際の会話場面でうまく使いこなせるかどうかがポイントなんですね。ことわざや四字熟語などの問題でも選択肢の意味が似ているというのもあって、文法や表現の仕方をきちんと理解していないと、正解できないようになっています。
 
そのため、文法知識はもちろん非常に重要ですが、もう一つ皆さんが頭に入れておかないといけないのは、ある程度日本文化の知識を持つことです。日本人の考え方や表現の仕方も文化の1つとして含まれるので、それを把握すれば試験でも役に立つと思います。

文書翻訳

今回の文書の翻訳では、俳句を中国語に訳す問題も出されました。その意味と美しさを正しく中国語に翻訳したかったので、結構時間がかかりました。もちろん直訳することもできますが、それだと、どうしても本来の意味が変わってしまって、俳句の美しさも伝わらなくなるので、一人の翻訳者として、ある程度自分の母語に詳しい知識がないといけないと痛感しました。対策としては、今後中国語に訳された日本の文学作品や随筆を読むことを通して、先輩たちの翻訳のテクニックを勉強して、自分の文学に対するセンスを育てていきたいと思います。

あとは、普段日本語訳の文章も読んでいます。たとえば、人民日報の日本語版やCATTIのWeChat公式アカウントの日本語翻訳コンテクストの作品など、ほかの優秀なモノを意識的に探して、自分が翻訳したものと対照してみて、よりいい翻訳の仕方を真似して吸収するようにしています。

リスニング

試験に挑むことは、自分に挑むことにもなります。その成功の鍵は、日々かいた汗と努力です。これからCATTIを受験する皆様は、自分の目標に向かって進み、良い成績が取れるようにお祈りします。

CATTI国際試験にチャレンジしたい方への一言

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