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受験生の声

VOICE

心山 友理恵

むねやま ゆりえ

CATTI国際試験(中日)
翻訳A級、通訳A級

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インタビューの日時: 8.22 (月) 14:00

中国語の学習歴を教えてください。

19歳から始めて、今年で約14年になります。

中国語を学ぼうと思ったきっかけは何ですか?

小学生の時の家族旅行の際に、急に飛行機の中で母に将来の夢を聞かれ、特に何もないと答えたところ、母が目の前の乗務員を指して「CA(キャビンアテンダント)がいいんじゃない?キレイだし外国語も話せてカッコいいよ」と。単純なんですが、その言葉を聞いてCAを志し、中学・高校でも英語を特に頑張りました。幸い成績も英語が一番良く自信が持てましたし、今後も語学を極めていこうという意欲が湧きました。


大学受験の際、英語以外もできたほうが就職に有利だと考え、当初は朝鮮語学科を志望していました。しかし中国語を第二言語として学んだことがある叔母から、朝鮮語は日本語と文法が似て簡単、対して中国語はかなり難しいと聞き、そのほうがやりがいがあるのでは、と思い直しました。当時出願した神戸市外国語大学に中国学科があり、無事に入学。私の中国語学習がスタートしました。今思えばすべてが必然で、中国語との出会いはまさに運命だと感じています。

留学経験はありますか?

2010年、大学3年生のときに派遣留学生として北京外国語大学に半年留学しました。中国に行ったのはその時が初でした。先生も生徒も熱心で、勉学に励める良い環境でした。ただ、北京は「儿」の訛りが非常に強かったことを覚えています。私は大学での成績が良く、留学前に不安はなかったのですが、中国に来た途端に全然通じませんでした。大学2年間、教科書で学んできたフレーズが役に立たず留学1日目にして挫折しました。さらにしょっちゅう「啊?」と言われ、しばらくトラウマになりました。日本人が「あ?」と言うときはケンカを売るときなので、この「啊?」を聞くのが本当に怖かったです。でもこう言われるのは声が小さかったりオドオドしてるからで、外国語でコミュニケーションを取るには、物怖じせずに口に出すという積極性が何より大事だと痛感しました。

 

留学時は勉強に重きを置いていたため、北京ならではの経験はあまりないのが残念です。でも北京は本当に大好きで、第二の故郷だと思っています。帰国後は何度も観光へ足を運びました。長城だけでも計5回は登りましたね。

 

留学中の最大の収穫は「言語パートナー」との出会いです。当時彼女は私より2つ年下の北京外大日本語学科の学生でしたが、彼女も非常に勉強熱心ですぐに打ち解けました。一緒に会話練習をしたり、分からないことがあれば真っ先に彼女に質問していました。帰国直前には彼女の実家へ遊びに行き、そこで1週間お世話になりました。私が今中国語学習に取り入れている『非诚勿扰(お見合い番組)』もその時に彼女に薦められて知りました。彼女とは今でも連絡を取り合う仲です。

中国語の学習方法を教えてください。

中国留学時、話し方の速い先生の授業を聞き漏らすまいと必死でした。おかげでリスニング力が飛躍しましたね。会話の授業でも積極的に発言するように努めていました。
 

また自分の会話や通訳練習を録音して聞くようにしています。これには抵抗がある人が多いと思いますが、復習のために私は必ず聞くようにしています。
 

留学時には、スーパーに陳列された商品をメモして日常生活に必要な語彙を覚えていきました。学習を生活と結びつけると記憶に残りやすいです。

私の今の学習メニューはこんな感じです:
【聴解】学習雑誌『聴く中国語』を活用
【会話】Skypeレッスン受講(毎日25分)
【読解】「微信读书」を通勤中や寝る前に読む
【作文】「联普(ランプロ)」の公式アカウントを活用して練習


ほかにも中国のバラエティー番組が好きで、特に『非诚勿扰(お見合い番組)』をよく見ます。ゲストの話す中国語に出身地ごとのクセがあって、真のリスニング力を身につける良い練習になっています。あとは、『奇葩说』『脱口秀』も好きで見ています。

近年、日中間の交流がどんどん密になっています。中国語ができるメリットは何だと思いますか?

一つは就職活動時で、英語と中国語は話者の多い言語2トップですから、この2つを自由に扱えるようになれば、いろんな情報をサクッと仕入れることができますし、海外出張や旅行も怖いものなしですよね。


もう一つは交流面で、中国語は母語人口が世界一なので、中国語ができれば世界中に友達ができるでしょうし、テレビ番組を中国語で楽しめるなど趣味の選択肢も増えます。中国のアイドル(TFBOYSなど)きっかけで中国語の勉強を始めたという人も聞きますね。

HSK、中検、CATTI国際試験にすでに合格しているとのことで、検定試験の「グランドスラム」を達成したわけですが、これら3つの試験について、それぞれどういったところが特色だと思いますか。

中検は完全に日本人向けで、文法の理解を試す試験という感じです。1級は中国人でも不合格になるレベルなので、本当に崇められる存在ですね。


HSKはすべて中国語で出題されるので、中国語レベルのチェックに最適だと思います。6級が最高級ですがレベルとしては中検準1級程度ですね。とはいえ、試験内容が幅広いのでそれなりに対策は必要です。
 

CATTI国際試験は、日中両方の受験生を対象としており、日本語と中国語の両方を駆使しなければならないので、2言語の運用能力と翻訳力が試されます。また、「聞く、話す、読む、書く」の4技能をすべて網羅しているので、総合的な語学力が試されます。

今回の試験成績に満足していますか?また、今後の課題は何ですか?

今回は通訳の結果が一番良く、自分でも驚いています。一方翻訳は90点以上取れた自信がありましたが80点と予想外でした。悔しいので次回また挑戦します。
 

読解はもう少し頑張らないといけないと感じました。リスニング問題の後半では選択肢が長く、自信をもって回答できませんでした。今後はここを重点的に対策したいですね。

CATTI国際試験は、他の試験ではあまり見られないオンライン形式です。受験生の意見をもとに試験環境をより良くしていきたいと考えているのですが、今回受験をしてみていかがでしたか?何かご意見がありましたらお聞かせください。

個人的にオンラインのほうが楽だと感じてます。出発時間や公共交通機関の遅れ等も心配しなくて済むので。また集団受験ではないので、他の受験生の物音が気になりません。
 

一つ提案するとすれば、遠隔監視システムについてですね。CATTI杯のオンライン試験で導入していた「鷹の目」という監督ツールが非常に優れていると感じました。自分だけを監視し、他の受験生が画面に映り込み試験に集中できない、といったこともないので。

普段どのように通訳や翻訳の練習をしていますか?独自の秘訣があれば教えてください。

通訳はとにかく間違ってもいいから瞬時に口に出すことが大事だと思っています。そしてその録音を必ずその日のうちに聞き返し、自分の訳と先生に指摘された箇所を再度確認するようにしています。通訳練習の時にはイメージを大事にしています。原文を聞きながら情景を頭の中で描き、その次にどうなるか予想する。イメージができれば記憶に残り、それを自分の言葉で伝えることも簡単になるので、通訳の精度も上がりますね。翻訳はただただ練習あるのみです。

通訳翻訳の力を身につけるのに近道はありません。地道に努力を重ねていきましょう。私を勇気づけてくれた言葉を紹介します。「上達が早い人は、すなわち、たくさん失敗をしてきた人である」


語学の学習に失敗はつきもの。言い間違えを恐れず、積極的に言葉に出していきましょう!

これから受験する方へ一言お願いします。

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